給与別・生活防衛資金の目安を整理する
毎月のお金が残らない、給料日が不安という方からよく聞く悩みのひとつが「そもそも、いくら貯めればいいの?」という質問です。
特に、生活防衛資金(きゅうな出費や失業に備えるお金)については、「月3~6ヶ月分」と言われるものの、自分の給与ではそれが具体的にいくら必要なのか、よく分かりませんよね。
この記事では、給与25万円、30万円、40万円の3パターンで、生活防衛資金の具体的な金額を計算し、無理なく貯める方法をまとめました。数字を見ることで、「実は貯めやすい金額だった」と気づく人も多いです。
生活防衛資金とは、なぜ必要なのか
生活防衛資金とは、急な失業、病気、冠婚葬祭などに備えて、銀行の普通預金に置いておくお金のことです。投資とは違い、いつでも下ろせることが条件になります。
多くの家計管理の専門家は「月の支出の3~6ヶ月分」を目安にしています。
- 3ヶ月分:比較的安定した職場にいる人、独身や共働きで家計に余裕がある人向け
- 6ヶ月分:自営業者、子どもが多い家庭、配偶者の収入が不安定な人向け
なぜこのくらい必要なのかというと、失業した場合、失業保険が出るまでに通常3~4ヶ月かかるため、その間の生活費をカバーする必要があるからです。
給与別・生活防衛資金の具体的な金額
では、実際にいくら貯めればいいのか、3つの給与パターンで計算してみましょう。
手取り20万円前後(給与25万円)の場合
支出の目安:月12~15万円
- 3ヶ月分:36万~45万円
- 4ヶ月分:48万~60万円
- 6ヶ月分:72万~90万円
給与25万円の場合、月の支出が12~15万円という家計であれば、生活防衛資金の目安は36万~90万円です。最初は50万円を目指し、その後少しずつ増やすというアプローチでも十分です。
月1万円ずつ貯めれば、36万円は3年で貯まります。無理に一度に貯めようとせず、給与から毎月一定額を自動で貯金用口座に移す方法がおすすめです。
手取り24万円前後(給与30万円)の場合
支出の目安:月16~20万円
- 3ヶ月分:48万~60万円
- 4ヶ月分:64万~80万円
- 6ヶ月分:96万~120万円
給与30万円の家計では、生活防衛資金の目安は48万~120万円です。このくらいの給与であれば、月2~3万円の貯金ペースで、1年半~2年で80万円程度を貯めることができます。
子どもがいたり、教育費を貯めたい場合は6ヶ月分を目指すと、より落ち着いた家計運営ができるでしょう。
手取り32万円前後(給与40万円)の場合
支出の目安:月22~28万円
- 3ヶ月分:66万~84万円
- 4ヶ月分:88万~112万円
- 6ヶ月分:132万~168万円
給与40万円の家計では、生活防衛資金の目安は66万~168万円です。このレベルの給与があれば、月3~5万円程度の貯金で、100万円程度を1~2年で貯めることができます。
6ヶ月分(140万円程度)を貯めれば、かなり安心した家計運営ができるようになります。
生活防衛資金を貯めるのに、実は障害になること
「いくら必要か」が分かると、次の課題は「本当に貯められるのか」という不安ですよね。ここで、多くの人が陥りやすい落とし穴を3つ紹介します。
1. 支出が把握できていない
生活防衛資金を計算するには、月の支出を正確に知ることが欠かせません。ところが、家計簿をつけても「何にお金が出ているのか分からない」という人が少なくありません。
月の支出を知るには、クレジットカードやスマートフォン家計簿アプリ(マネーフォワード、Zaim、OsidOri など)で、3ヶ月分の記録を見てみることをおすすめします。固定費(家賃、保険、通信費)と変動費(食費、日用品)の2つに分けて集計すれば、より正確に把握できます。
2. 貯める仕組みがない
「毎月貯もう」と決めても、給与から自分で貯金用口座へ移さなければ、結局貯まりません。最も簡単な方法は、給与が入ったその日に、銀行の自動振替機能を使って、別の口座に移してしまうことです。
例えば、給与が月20万円なら、その日に2万円を貯金口座へ移す、という具合です。こうすることで、手元に残ったお金で生活する習慣がつきやすくなります。
3. 「投資も同時に始めたい」という誘惑
新NISAやiDeCo、つみたて投資などの話を聞くと、「自分も投資を始めるべきでは」と焦る人が多いです。しかし、生活防衛資金が十分でない状態で投資を始めると、急な出費が出たときに投資を解約することになり、損をする可能性があります。
おすすめの順序は、「生活防衛資金(3ヶ月分)→ 普通の貯金(さらに3ヶ月分)→ その後、投資を検討」です。
生活防衛資金を無理なく貯めるコツ
目標を小分けにする
「6ヶ月分、120万円を貯める」と聞くと、大きく感じるかもしれません。ですが、これを「まず3ヶ月分(60万円)を貯める」→「その次に、さらに3ヶ月分を貯める」という2段階に分けると、心理的なハードルが下がります。
最初の3ヶ月分を貯めるのに2年かかったら、その達成感は次のステップへの大きな励みになります。
給与から自動で貯金する
給与が入ったその日に、自動振替で貯金口座に移すことをおすすめします。月1万円でも、1年で12万円、5年で60万円貯まります。
「なるべく高い利息の普通預金を選ぶ」という工夫も大事です。メガバンク(0.001%程度)よりも、ネット銀行(0.1~0.2%程度)の方が利息が高いため、同じ金額でも年数百円~千円の差が出ます。
固定費を見直して、貯金額を増やす
月1万円の貯金では目標に達するのに時間がかかるなら、固定費を見直して貯金額を増やす方法があります。
- 通信費を3,000円削減 → 月の貯金を3,000円増やせる
- 保険料を2,000円削減 → 月の貯金を2,000円増やせる
- サブスク(動画配信など)を1,000円削減 → 月の貯金を1,000円増やせる
固定費の削減は、一度見直すと、その後ずっと効果が続きます。一度、契約している保険や通信サービスを見直してみてください。
生活防衛資金が貯まったら、次は何をする?
生活防衛資金が目標額に達したら、その後の貯金は、以下の順番で考えるとよいでしょう。
1. 短期的な必要なお金を貯める(1~3年以内)
子どもの教育費、車の買い替え、住宅の修繕など、1~3年以内に必要なお金を貯めます。このお金は投資ではなく、普通預金や定期預金に置いておくことをおすすめします。
2. 長期的な資産形成を考える(5年以上先)
5年以上先の老後資金や子どもの大学資金については、新NISAやiDeCo、つみたて投資を検討できます。ここで初めて、「月いくらを投資に回すか」を考えるとよいでしょう。
まとめ:生活防衛資金は、焦らず段階的に貯める
給与別の生活防衛資金の目安をまとめると、以下の通りです。
- 給与25万円(手取り20万円):36万~90万円(支出12~15万円×3~6ヶ月)
- 給与30万円(手取り24万円):48万~120万円(支出16~20万円×3~6ヶ月)
- 給与40万円(手取り32万円):66万~168万円(支出22~28万円×3~6ヶ月)
大切なのは、「いますぐ全額を貯める」ことではなく、「毎月一定額を自動で貯金する仕組みをつくる」ことです。給与から毎月1~3万円を貯金用口座に移すだけで、2~3年で相当な額が貯まります。
生活防衛資金が貯まると、急な出費で焦ることがなくなり、心に余裕が生まれます。その余裕があれば、投資や税金の見直しなど、他の家計管理にも目を向けやすくなるでしょう。
焦らず、自分のペースで、まずは「3ヶ月分を貯める」という小さな目標から始めてみてください。
よくある質問
Q. 生活防衛資金とは何ですか?
急な失業や病気に備えて、銀行に預けておくお金のこと。一般的には月の支出の3~6ヶ月分が目安とされています。投資に回さず、いつでも下ろせる普通預金に置くことが大切です。
Q. 給与25万円の場合、生活防衛資金はいくら必要ですか?
手取り20万円前後と仮定すると、生活防衛資金の目安は60万~120万円です。支出が月15万円なら45万~90万円、月12万円なら36万~72万円を目安に、まずは3ヶ月分から始めるとよいでしょう。
Q. 生活防衛資金を貯める間、投資は始めてもいいですか?
生活防衛資金が十分でないうちは、投資よりも優先して貯めることをおすすめします。最低3ヶ月分貯まったら、その後の貯金は新NISAなどで運用を検討するという段階的なアプローチが安心です。
